月別アーカイブ: 2017年6月

書評:SEは死滅する

木村 岳史さんの著書。IT業界特に古いタイプのIT業界に関する「暴論」の著。非常に興味深く読みました。「暴論」と言っていますが、そんなに暴論とも聞こえず、あるあると思いながら読みました。人売りであるSESの話や多重下請け構造、人月単価と呼ばれるものの話。業界にいないものが聞いたら???しか思い浮かばないこの業界の不思議。

私も半分は本書のような業界にいますが、つまるところお客さんが変わらない限り、この状況も変わらないのだと思いっています。そうやって時間が立つうちに海外に置いていかれてしまっているのだと思います。変わるときは一気に変わるものでしょうか? それとも徐々に衰退していくのでしょうか。

ともあれ、ITなしではビジネスが成り立たない状況になっていますので、これからこのITをどのように活かしていくか。ビジネスに関わる人すべて一度立ち止まって考える必要があると思います。そういった意味で本書はとても考えさせられる良書であったと思います。

書評:「見えない」税金の恐怖 これは官僚によるタックス・テロだ!

木村さんの著、木村さんといえば「あらゆる領収書は経費で落とせる」といった本が有名かと思いますが、本書は「見えない」税金に関する書籍です。元国税調査官の肩書ですので、税金つながりということでしょうか。

とてもおもしろく読みました。日本は豊かな国だといわれているが、一生懸命みんな働いているが、なぜ豊かに感じられないのか? に正面から切り込んだ書籍になっていると思います。

異論反論当然あるかと思いますが、日本の税負担の他、社会保障負担、など払わなくては行けないものを広義に税金と思うと、もはや五公五民を過ぎて六公四民くらいになっていることがわかると思います。

これで甘い汁を吸っているのは誰だろうというのが、日本では明確にならず、なんとなくになっています。戦前と同じように。筆者の主張のように国が変わっていけば良いと思いますが、なかなか変わらず、僕らは制度の中、ほそぼそ生きていくことになるのだと思います。

書評:沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿

沿線格差、電車に乗りながら読みました。Amazonのレビューだと結構評価低いのですが、書いているのがなんとも鉄道オタクな人たちのようでして、なんだかな感が漂っています。

書籍自体は、読み物として面白かったです。できるだけ数字で出そうという姿勢も良いと思いました。必ずしも数字と一致しないこともありますし、仮説が数字で補強されることもありました。
どちらかと言うと沿線そのものと言うより、その沿線に住む人や価値観に焦点が当たっているように思いました。

そういった意味ではどこに済むを考えるときに役に立つ本だと思いました。きっかけとして沿線のことをしって、後は本当かどうか自分の見た目で判断していけば良いのではないでしょうか。