全ての人に不公平感のある年金問題

誰がババを引くかという感じになってきている年金の話。年金を貰う世代は「隣のあの人はあんなにもらっている」とか「あんなに収めたのにこれしかもらえない」とかまぁ色々不満があるわけです。でも年金もらって世界旅行とか行っているのを目の当たりにすると違う世代からみるとなんだかなぁという気分になります。

若い世代は切実です。学生はそもそもお金がないわけで、アルバイトで月4-5万稼ぐ程度で、その中から国民年金を払うことになります。親が払ってくれている可能性もありますが、自力ではかなりしんどい。新人さんなどは税金や社会保険料引かれて、手取りで16万程度、親の年金が夫婦合わせて20-40万とか普通にあるわけで、これもなんだかなぁという気分になります。

年金は相互扶助ということでみんなで助け合いましょうという話しなのでしょうが、60歳から年金をもらって平均寿命である80歳まで生きるとして20年間お年寄りへお金を移動しなければ行け無いことになります。これが維持可能かと言われればなかなか難しいのでないのというのが正直な感想。受給開始年齢を引き上げて、金額を下げればいくらでも維持可能なのは分かりますが、若者の新人さんが16万で生きているのですから、年金の月の最大金額を若者の16万程度にする位にしてくれないと、世代間の不公平感は無くならないように思うのです。

http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/12-2/dl/11.pdf

の資料によると、国民年金が月額 65,541円で厚生年金は230,940円が一般受給額のようで、年金受給者数は6,826万人、総額51兆1,332億円と書かれています。国庫負担1/2ですが、次の資料だと10-14兆円程度みたい。厚生年金は23万円が一般的な試算だとすると、夫婦でなので、一人頭11.5万円。そう考えると意外といい線で落ち着いているのかもしれませんし、これが受給者の人のもっと貰っていいはずだという不満も生んでいるのかもしれません。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/pdf/seido-h19-point_043.pdf

国の税収が40兆円ちょっとなのに、年金の支払いで51兆円とまぁホントかいなという感じです。さらに40兆円の税収のうち10兆円分は年金にあてられていることになります。国債が増えるのも道理という感じです。

年金はお金の動きだけ見れば賦課方式といっている以上、生産部門から非生産部門への合法的な所得移転であると言えます。稼いだお金を渡しているわけですから、もっと若者は感謝されてもよさそうですが、どうもそうはいかないみたいです。

逆向きの非合法な所得移転である振り込め詐欺の年の被害額は363億円だそうです。なんか慎ましい金額に見えて来ました。こういった51兆円とかの数字はなかなか報道されないように思いますが、インターネットによって調べればすぐに手に入る用になったのはいいことだと思います。

ちなみに生活保護費の総額は4兆円ほど、上がり続けているとはいえ、年金の10分の1以下です。

受給世代の払った金は返してもらおう、できるだけ多くという感覚も分からなくもないのですが、税収を超える金額を、若者給料の倍の金額でもらっているのだという感覚で見ると何とかしたほうが良いように思います。

ベーシックインカムにするか、積立方式+生活保護にするかといったところなのでしょうか。色々な思いが深くきつく絡まってなかなか改革できないのだと思います。