放射性物質により心臓疾患は増えているのか?(その1)

「Dの食卓」などで知られるゲームクリエーターの飯野賢治さんが心不全で亡くなった。42才という若さ。放射性物質、特に放射性セシウムは心筋にたまるという情報があり、関連があるか気になり調べてみた。どういう統計があるか分からなかったのでとりあえず、著名人のお悔やみ情報を利用した。

<仮定>

  • セシウムが心筋に影響し心不全などを引き起こすならば、有意に著名人が亡くなる数が増えるはずである

ただしこの仮定を信頼性高く考えることは困難である。たくさんの前提が必要となる。

<前提>

  • 利用したサイトの情報が正しい(網羅率も含め)、利用したサイトはWikipediaと没年(命日)データベースであるが、ここに掲載されている情報が正しい保証がない
  • 一次情報が正しい、新聞のお悔やみなどから情報を収集しているようであるが、この一次情報で著名人の定義や判断基準がずっと一定で網羅されている保証がない
  • 上と絡むが認識される著名人の数は変動しない、著名人の母数が変動すればこれは意味が無い
  • 人口ピラミットの影響は考えない、この時点で既に破綻しているのだが、団塊の世代の高齢化で死亡率は上がるはずであり、年齢別に統計を取らないとこの影響を外せない

何とも心もとない状況であるが、とりあえず数だけ数えてみた。今回は国内、海外の著名人を含む数である。分けるともう少し違うことがわかるかもしれない。参考程度と言いたい所ではあるが、参考にもならない可能性が高い。

まずはWikipedia

Wikipedia

 

このばらつきを見ると年で色々比較することは無意味であることが分かった。誰もが編集できるWikipediaの情報はページをまたいで統計的に利用できないことが分かった。

次に没年月(命日)データベースの情報

没年月(命日)データベース

 

おそらく個人サイトであり、同一の人が更新しているであろうからばらつきが少ないようである。これを見ると毎年350から450で推移している。2012年は2007年と並び高水準であると言えるが、有意な差とは言えない。2013年、2014年と統計をとったときに右肩上がりになるような場合は、放射性物質と心不全などとの関係を疑う必要が出てくるかもしれない。ただし、このような前提ばかりの統計に有意に現れるような状況であれば、その時はもう手遅れであるといえよう。

現時点で言えることは、放射性物質と心不全などの関連性はこの情報からはわからない。毎年の人数が350-450で推移していることから、著名人の死亡が気になるというのは心理的効果が高いように思う。