カテゴリー別アーカイブ: 書評

書評:SEは死滅する

木村 岳史さんの著書。IT業界特に古いタイプのIT業界に関する「暴論」の著。非常に興味深く読みました。「暴論」と言っていますが、そんなに暴論とも聞こえず、あるあると思いながら読みました。人売りであるSESの話や多重下請け構造、人月単価と呼ばれるものの話。業界にいないものが聞いたら???しか思い浮かばないこの業界の不思議。

私も半分は本書のような業界にいますが、つまるところお客さんが変わらない限り、この状況も変わらないのだと思いっています。そうやって時間が立つうちに海外に置いていかれてしまっているのだと思います。変わるときは一気に変わるものでしょうか? それとも徐々に衰退していくのでしょうか。

ともあれ、ITなしではビジネスが成り立たない状況になっていますので、これからこのITをどのように活かしていくか。ビジネスに関わる人すべて一度立ち止まって考える必要があると思います。そういった意味で本書はとても考えさせられる良書であったと思います。

書評:「見えない」税金の恐怖 これは官僚によるタックス・テロだ!

木村さんの著、木村さんといえば「あらゆる領収書は経費で落とせる」といった本が有名かと思いますが、本書は「見えない」税金に関する書籍です。元国税調査官の肩書ですので、税金つながりということでしょうか。

とてもおもしろく読みました。日本は豊かな国だといわれているが、一生懸命みんな働いているが、なぜ豊かに感じられないのか? に正面から切り込んだ書籍になっていると思います。

異論反論当然あるかと思いますが、日本の税負担の他、社会保障負担、など払わなくては行けないものを広義に税金と思うと、もはや五公五民を過ぎて六公四民くらいになっていることがわかると思います。

これで甘い汁を吸っているのは誰だろうというのが、日本では明確にならず、なんとなくになっています。戦前と同じように。筆者の主張のように国が変わっていけば良いと思いますが、なかなか変わらず、僕らは制度の中、ほそぼそ生きていくことになるのだと思います。

書評:沿線格差 首都圏鉄道路線の知られざる通信簿

沿線格差、電車に乗りながら読みました。Amazonのレビューだと結構評価低いのですが、書いているのがなんとも鉄道オタクな人たちのようでして、なんだかな感が漂っています。

書籍自体は、読み物として面白かったです。できるだけ数字で出そうという姿勢も良いと思いました。必ずしも数字と一致しないこともありますし、仮説が数字で補強されることもありました。
どちらかと言うと沿線そのものと言うより、その沿線に住む人や価値観に焦点が当たっているように思いました。

そういった意味ではどこに済むを考えるときに役に立つ本だと思いました。きっかけとして沿線のことをしって、後は本当かどうか自分の見た目で判断していけば良いのではないでしょうか。

書評:チルドレン

伊坂 幸太郎さんの著。ちょっと不思議な著。正義感が強いかどうかよくわからない、青年陣内君と彼を取り囲む人が起こす物語。

破天荒な陣内君の行動が起こす、奇跡!?の物語。なぜか読後ほっこりする、そんな物語。

書評:言ってはいけない 残酷すぎる真実

橘さんの本です。遺伝や脳科学などの論文から、普段僕らがうすうす思っていること、けれどそれは言ってはいけないことをまとめています。

探せば反論の論文などもあるのでしょうが、論文を元に展開しているので説得力があります。

美貌格差や男女平等の嘘や、乱婚のはなしなど興味深く読みました。子育てについても実は子どもを育てているのが、子どもたちの集団であり、親の関与が低いことも興味深かったです。

「親はなくとも子は育つ」とはよく言ったものです。こういったものがなんとなくかつ論文やこういった書籍でわかってくることで、より集団が極端になっていくように思います。

つまり将来はどの集団に属するかで決まってくるわけで、学閥や住んでいるところ、仕事の業界や地位など集団でセグメント化され、同じ日本人で日本語を話すのかもしれないが、全く違う人種が増えていくのかもしれません。

平等という名の均一化を担っていたテレビや新聞は役割を追えつつあり、インターネットを中心に個性という名の細分化がこれから、今まさに進んでいると思います。

これにより望んだ未来が出に入りやすくかと思う反面、セグメント通しのインターフェースの部分では今まで以上に摩擦が起きるように思います。

そのような状況では、セグメントを串刺しにする、哲学や宗教、心理学などがもっと人々に浸透していく必要があるのかもしれません。

書評:仕事のミスが絶対なくなる頭の使い方

なかなか面白かったです。現在の脳科学の知識を元に、仕事におけるミスを、分類し、なぜそれが起きるかを説明しています。また、ミスが起きるのは構造的に仕方がないので、それを前提にどのように対策を立てるかが記されています。

特に会話における相手の記憶と自分の記憶の部分は面白く、会話において、実践したところ、相手の気持ちではなく、相手の記憶に焦点を当てると会話の方向性が変わることに気が付きました。これはなかなかおもしろい発見でした。いままで相手の気持ちになろうとしてうまくいかないことがあったのですが、相手の記憶に焦点をあわせると相手と同じ風景を見ているように会話が進むようになり、新鮮な体験をしました。

軽い本かと思いましたが、筆者のノウハウが詰まった良い本だと思います。

書評:次に来る噴火大地震

地震や噴火の予知は難しいと思いながら、この手の本は興味を持ってしまいます。

この本がすごいと思ったのは、御嶽山噴火の影響で2015.05.15に起きた小笠原諸島で起きたM8.1の地震を指摘していたことです。書籍では2018年±5年でM8.5と記されていました。これを読んだ数日後に地震が起こったものでびっくりでした。

地震と噴火の関係は余り解明が進んでいないようですが、東日本大震災後、地震も噴火も活発化していることを考えると、本書で指摘しているように、因果関係があるのかもしれません。

富士山の噴火については火山灰型ではなくて溶岩流出型の噴火になる可能性が高いと筆者は考えているようです。

他に地震で注意が必要なところとして、日向灘、能登半島西方沖などをあげています。そういえば箱根については記述なかったように思います。

書評:お金持ちが財布を開く前に必ずすること

タイトルに惹かれて購入してみました。さまざまなシーンで、投資か消費かという視点で書かれている本です。例えば、「マイホームを買うのは消費か投資か?」「寄付をすることは消費か投資か」といった内容です。どちらかと言うと筆者の主張を聞かされている感じです。なるほどなと思うところもありますが、そうかなぁと思うところもあります。

総じてちょっと軽めかなという感想です。

書評:なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?

タイトルとカバー写真に引きつられて購入しました。漠然とした不安を皆が持ち、でもそれが何かよく分からず、どうすればいいのかもよく分からず、過ごしている現在。本書では大学の教授とゼミの学生との禅問答のような形で話が進んでいきます。

例えば、マンガ「進撃の巨人」を例に、既得権益者と巨人の不安に怯える人々。既得権益層が普通のおじいちゃんおばあちゃんということを示しながら、国の借金の話や、人口減少の話を織り交ぜて、今、すでに新しい時代に突入しているのだから、新しい社会が必要とされていると筆者は話します。

現在の資本主義、世代間格差、国の借金という観点に興味がある人ならば、興味深く読むことができると思います。

しかし、大阪都構想の住民投票のように、新しい社会に向けた変革は日本人には難しいように思います。現在、日本はゆでガエルの状態で、もうすぐ沸騰するというところに来ているかと思いますが、結局、日本は何の変革もできないまま、ゆであがるまでそのまま突き進むことになるのだと思います。

その時、自分はどうするのか、どうやって自分を守るのか。結局、個人でできるのはそのくらいなのかもしれません。近い将来、日本人の殆どが経験したことのないハイパーインフレが日本を襲うのであろうか?やたら経済規模は大きいので、ハイパーインフレにならず、湯で鍋状態がずっと続くのか、これは誰にもわからないことですが、もしハイパーインフレが日本に起こった場合は、新たな戦後と思って、また一から働けば良いのだと思います。

もしかしたらそのほうが今よりも生きることに実感を持てる時代になるのかもしれません。

書評:男性漂流(奥田祥子)

なんとなくは感じていだ生きにくい世の中。本書は男性側の生きにくさに焦点を合わせた、渾身のルポです。筆者はよく長期に渡り取材したと思います。頭が下がります。

世で現役で働く男性達が漂流している姿、社会から手が差し伸べられない彼らの生き様が丁寧に描かれています。「結婚できない男、仮面イクメン、介護シングル男子、男だって更年期、リストラ・非正規のバカヤロー 」とだれでも俺もそうかもと思いつくところが一つや二つあるように思います。

彼らの現実は明日の自分の現実かもしれません。本書では漂流する彼らの姿がリアルに描かれていますが、彼らは決して悲観すること無く、前を向いて進もうとしている様子が、描かれています。これは一つの救いになるのではないでしょうか。時に筆者は取材対象者と共に悩み、逆に取材対象者の言葉に救われる様子もリアルに描かれています。

現在社会は男性だけではなく、女性にとっても生きにくい社会です。偽りの男女平等によって、男性女性が断絶されてきている中、本書は男性のみならず、多くの女性にも読んでいただけたらと思える書籍です。いつか、真の男女平等な世の中が実現するまで、僕らはそれでも今日を生き抜かなければならないのです。