タイトルとカバー写真に引きつられて購入しました。漠然とした不安を皆が持ち、でもそれが何かよく分からず、どうすればいいのかもよく分からず、過ごしている現在。本書では大学の教授とゼミの学生との禅問答のような形で話が進んでいきます。
例えば、マンガ「進撃の巨人」を例に、既得権益者と巨人の不安に怯える人々。既得権益層が普通のおじいちゃんおばあちゃんということを示しながら、国の借金の話や、人口減少の話を織り交ぜて、今、すでに新しい時代に突入しているのだから、新しい社会が必要とされていると筆者は話します。
現在の資本主義、世代間格差、国の借金という観点に興味がある人ならば、興味深く読むことができると思います。
しかし、大阪都構想の住民投票のように、新しい社会に向けた変革は日本人には難しいように思います。現在、日本はゆでガエルの状態で、もうすぐ沸騰するというところに来ているかと思いますが、結局、日本は何の変革もできないまま、ゆであがるまでそのまま突き進むことになるのだと思います。
その時、自分はどうするのか、どうやって自分を守るのか。結局、個人でできるのはそのくらいなのかもしれません。近い将来、日本人の殆どが経験したことのないハイパーインフレが日本を襲うのであろうか?やたら経済規模は大きいので、ハイパーインフレにならず、湯で鍋状態がずっと続くのか、これは誰にもわからないことですが、もしハイパーインフレが日本に起こった場合は、新たな戦後と思って、また一から働けば良いのだと思います。
もしかしたらそのほうが今よりも生きることに実感を持てる時代になるのかもしれません。